ログラスの営業部門は、エンタープライズ領域での急速な成長を遂げる一方で、個人・組織ともに課題にぶつかってきました。今回のインタビューでは、プレイヤーとして活躍したのち、現在は営業部でセールスマネージャーを務める難波さんと、ユニットリーダーを務める吉田さんに話を伺いました。営業の第一線で経験した困難、乗り越えた方法、そしてチームの未来について語っていただきました。
難波: 私は4人目のセールスとしてログラスに入社しましたが、最初の6ヶ月間は大変な時期でしたね。
当時は組織もまだ未熟で、私より先に入社したメンバーが徐々に売れ始めたくらいの時期でした。
しかし、私はまったくというほど成果が出ない状況が続きました。
エンタープライズ向けのSaaSや経営管理の知識がゼロからのスタートで、キャッチアップにかなり苦戦したのが原因です。
当時は周囲のドメインエキスパートや他のセールスメンバーに質問することも、なかなかできませんでした。
それまで10年間営業を経験しており、どこか「やれて当然」という気持ちがあり、プライドが邪魔をしていたのだと思います。
その後、二つの大きな転機がありました
まず一つ目は、メンバーから厳しい指摘を受け、「このままではいけない」と危機感を覚えたことです。そこから、周囲の時間を「もらう」ことに遠慮しないと決めました。カスタマーサクセスやエンジニアからプロダクトの機能についての話を聞いたり、CEO布川さんの商談に同席させてもらったりして、足りない知識や技術を補強しました。
二つ目は、セールスの基礎に戻って徹底的に学び直したことです。メンバーや外部の方から勉強させてもらい、少しずつエンタープライズやSaaSの営業の「あるべき姿」を理解していきました。そこから、安定して受注できるようになっていきました。
難波: 組織全体としては、オンボーディングプログラムを作成してドメインおよびプロダクトの理解を促進したほか、メンター制度を導入し、気軽に相談できる場を整えて行きました。
ただ、特に重要だったのは仕組み以上にマインドセットの改革ですね。
入社当初からセールスメンバーとの1on1を通じて、「人の時間をどんどん奪っていい。あなたが早く成長することが組織にとって重要だ」と伝えることで、遠慮せずにキャッチアップに集中してもらうことができていると思います。
吉田:私は入社4ヶ月のタイミングで初受注できました。当時は入社直後からセールスだけでなく、エンジニアやデザイナーなどと毎日1on1をしていました。
業務や文化を知ることはもちろん、困った時に気軽に質問できる人が社内に増えたことで、助けてもらえる環境を作れたことが大きかったです。
難波さんからの「どれだけ頼ってもいい」という言葉を実践し、就業時間が過ぎた後も先輩とロープレをしたり、デモの作成で困ったらエンジニアに助けてもらったりと、社内の協力を得られたことが早期の受注に繋がったと思います。
吉田:はい。かなり苦しい時期が数ヶ月続きました。セールスメンバーが続々と増えていく中で、自分の力だけで受注しなければいけないという状況になったことが要因でした。
それまで先輩や周囲のメンバーに助けられていた部分が大きく、「再現性がない受注だったのかな」と心が折れそうな時もありました。その頃、難波さんから「まだまだ再現性が伴っていないのに慢心しないで欲しい」とはっきりと伝えてもらい、「このままじゃいけないな」と思いました。
そこからは改めて「どうすればお客様の課題を解決するための支援ができるか」を考え抜くようになりました。細部へのこだわりや、周囲への頼り方にも変化があったと思います。
難波:当時の吉田さんは案件に対するオーナーシップが大きく変わっていたと思います。お客様との向き合い方が人一倍丁寧になり、それがお客様にも伝わっていましたね。
また、多くのお客様と関わり、吉田さんがそれまで担当したお客様のサクセスが進む中で、ドメインやプロダクトの理解を深めていましたよね。自信を持ってLoglassを売っていることが伝わりました。
吉田: それまで、自分の成果だけに責任を持っていましたが、ユニットリーダーとしてメンバーの成長も支援するミッションが課されたことは、純粋に嬉しかったです。
私自身、自分のキャパシティを広げなければいけない時期だと考えていましたし、何より組織へ貢献したいという想いがあり、メンバーをサポートできる立場になったことは本望です。
難波: ユニットリーダーに選出した理由は、吉田さんが他者のロールモデルになれるからです。ログラスの営業組織におけるマネジメントは挑戦が多いですが、吉田さんはその期待を十分に満たしてくれました。
急成長する組織の中ではリーダー人材を増やし、権限委譲をしていかなければいけないと考えています。
このタイミングで吉田さんを含め5名のメンバーにユニットリーダーの役割をお願いしたのですが、私が「これをやってほしい」と伝えなくとも、それぞれが自ら動き出してユニットメンバーと向かい合っている姿を見て「もっと早く頼っておけばよかったな」と率直に思いました。
難波: 組織全体をさらに成長させ、人材輩出型の組織にしたいと考えています。セールスの立ち上がり速度や受注率を向上させるために、より多くのリーダーを育成することが重要です。
今後マルチプロダクト展開を強化する計画がある中で、私だけでは対応しきれません。吉田さんのようなリーダーがさらに増え、組織全体を引っ張っていけるような体制を作りたいですね。
現在は、ビジネス部門のイネーブリングを専門に担当する組織もできており、メンバーの早期の活躍を支援する体制が整ってきました。
私自身も組織もより大きな目標に向かっていけると感じているので、マネージャーとして組織に貢献していきたいと思います。
吉田: ユニットリーダーとしての目標は、新しく入社したメンバーがしっかり成果を出し続けられる環境を作ることです。これまで優秀なメンバーが入ってきても、なかなか立ち上がれずに苦労している姿をみてきました。
こういった課題に対しては、立ち上がりを支援するユニットリーダーの存在が大きいと思うので、私がしっかりサポートしていきたいと思います。
そして個人としては、マネージャーに頼りきりにならない自律的な組織にするために、チャレンジしていきたいです。ユニットリーダーができることを増やし、組織全体を強くしていきたいですね。