Interview

エンジニア
伊藤×飯田

“持続可能な開発組織”を目指して〜新VPoEの使命と挑戦〜

‍2024年11月、ログラスは伊藤 博志が執行役員CTO(最高技術責任者:Chief Technology Officer)に就任したことを発表しました。

伊藤のCTO就任に伴い、開発組織の統括を担うVPoEにはシニアエンジニアリングマネージャーを務めた飯田が新たに就任しました。

これまでもVPoE、シニアエンジニアリングマネージャーとして二人三脚で開発組織に向き合ってきた2人に、これからの役割分担と、その挑戦について伺いました。


CTOとVPoEの役割

ー伊藤さんのCTOとしての目標と、新VPoEとなる飯田さんへの期待を教えてください


伊藤:私自身の挑戦は、グローバル水準の開発組織を作ることです。

今のログラスのプロダクト開発組織は、世界的にみても稀有なレベルで強い組織だと思っています。

顧客への価値を考え抜き、プロセスを改善し、アーキテクチャをしっかり設計し、技術を突き詰め、品質へも目を向け、そして組織が進化し続けていくための課題に意識を向けられている、そんな組織はグローバルに見ても珍しいと思います。


こういったグローバル水準の組織を目指すにあたって、スケールした組織をマネジメントできる人材が欠かせません。

私は、飯田さんにVPoEとしてその役割をお任せするとともに、さらにリーダーシップを担う人材を輩出していただきたいと考えています。

これは持論ですが、急成長するスタートアップの開発組織のマネジメントというのは、開発を前に進める推進力、中長期的に負債をため込まない対応力、品質をケアする緻密性、そして組織を構成するエンジニアたちが自律性をもってモチベーション高く働ける環境づくりと、絶妙なバランス感覚が必要だと考えています。

これらを手放しでお任せできる存在というのはなかなかいないと思っていました。

飯田さんは唯一といっていいほど、「自分より絶対うまくやれる」という安心感のある存在です。特に、私は比較的トップダウンな意思決定が主要な開発組織にいたことが多く、ログラスのような自律性の高いエンジニアがそろった環境での立ち居振る舞いという点においては、逆に難しさを感じてきた2年間でもありました。そんな中で飯田さんにお任せすると、いつも期待以上に組織を良い方向に導いてくれました。

事業を執行していく上でのエンジニアリング・マネジメントは飯田さんをはじめとするリーダーたちに任せつつ、私はログラスの開発組織が数年後も拡張していけるための戦略的思考にコミットし続けていきます。

新VPoEの想い

ー飯田さんは前職でも執行役員を務めていたと聞いています。この経験を踏まえ、ログラスのVPoEとしての役割をどのように捉えていますか?

飯田:私は前職でも執行役員として開発組織全体のマネジメントを経験してきました。

当時の組織では、VPoEやCTOなどが求められていたことは理解していましたが、それを名乗る勇気を持つことはできませんでした。どうしても前任の方が発揮していたバリューの期待が大きくなってしまい、自身の強みとのギャップが大きくなってしまうと思ったからです。
そんな中でも組織に関するさまざまな問題と向き合いながら業務を遂行してきましたが、最終的にピースを埋めることはできませんでした。私の中では挫折だったと捉えています。そして、2020年、私は前職でのキャリアを一区切りとすることを決め、エンジニアとして再スタートするための環境を探す中、創業まもないログラスに出会いました。


当時、まだ荒削りながらも可能性を秘めたプロダクトをみて、非常にワクワクしたのを覚えています。

また、開発体制や技術に加え、カルチャーなど組織に対しての投資もしっかりやっていくスタンスの布川さん・坂本さんが非常にバランスのよい経営陣だなと感じ、入社を決意しました。

当時はせっかくエンジニアリングマネージャーからエンジニアに戻ったのだから、しばらくはエンジニアをやっていたいと考えていました。しかし、しばらくエンジニアとして開発をする中でコードの解像度があがるにつれて自信がついてきました。当時マネジメント経験者が少なかった組織の中で、またマネジメントにチャレンジすることは合理性があり、今からやれることをやることで組織にレバレッジをかけられると感じました。そこから、ログラス1人目のエンジニアリングマネジャーとして開発組織に向き合うことを決めました。

その後、伊藤さんが入社したことで、当時CTOだった坂本さんと「どうやって伊藤さんにCTOになってもらうか?」を議論していきました。

ログラスはパラシュート人事を行わない会社なので、入社後は伊藤さんもエンジニアとしてフィーチャーチームで開発をしていました。

私はこれがとてもすごいことだと考えています。ここまでチームや機能開発に深く入り込んだところから、経営レベルでの成果を出してもらい、CTOになっていく。とても大きな振れ幅が求められていると思います。

しかしながら、こういったプロセスを経ていることで、伊藤さんが組織を率いてすぐに大きな信頼関係ができているのだと思います。

そして、私自身もエンジニアリングマネージャーとして組織のスケールと向き合っていくことが、大きなやりがいになっていきました。

責任者として採用のリード、マネジメントの役割の言語化、メンバーのオンボーディングや育成、Tech Valueの策定・浸透の取り組みと、さまざまな経験ができました。

このような経験ができたからこそ、VPoEとしてのこれからの挑戦は、適切なプレッシャーを感じるとともに、とても前向きに捉えています。

ー新VPoEとして今後の挑戦を教えてください。

飯田:開発チームは、私が入社した当時の数名から40名を超える規模へと成長しました。

私が前職で経験した開発組織の規模は30人だったので、すでに未知の領域に突入しています。

私はここ数年、“持続可能な開発組織を作る”ことを人生の目標として日々の仕事をしています。持続可能であるとは、開発組織がビジネス的成果を生み出しながらも、システムが変更容易性といった内部品質が高い状態を保ち続け、個々のエンジニアの成長も作り出せているような状態を指します。非常に難しいテーマですが、これを成功させられるかどうかが事業成長の未来を左右すると考えています。

今後のログラスはこれまで培ってきたカルチャーとクオリティを保った状態で組織をいかにスケールさせられるかがテーマになっていきます。

組織が大きくなる過程でメンバーの帰属意識が薄れたり、生産性が下がったりすることはよくある話だと思いますし、ログラスでも多くのカオスが生まれていくだろうと思っています。

伊藤さんや他のメンバーと協力しながら、そのカオスをひとつひとつ乗り越えていきたいと思います。

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